閉会のご挨拶

日本外傷学会は外傷初期診療JATECや病院前救護JPTEC、日本外傷データバンクJTDB、外傷専門医診療JETEC、専門医認定制度などを開発し発展して来ました。いずれも本邦の外傷診療の質の向上に貢献することを目的としております。

本学術集会では、外傷専門医に必要な能力について十分深く掘り下げて議論することができました。

治療戦略を大いに学びました。operative managementとnon-operative managementの判断、definitive surgeryとdamage control surgeryの選択、迅速かつ的確な手術やIVRの実施、集中治療戦略、救肢の急性期治療戦略です。日本における外傷診療に携わる医師に求められていることを再確認できました。トップナイフ講演から、これらを十分に学ぶことができたでしょう。

パネルディスカッションでは蘇生的開胸術や大動脈閉鎖バルーンによる大動脈遮断を議論しました。

外傷患者を確実に救命し社会復帰させるためには、病院前から始まるdamagecontrol ground zeroが必要です。院内とは別の戦略戦術が必要です。damagecontrol ground zeroを実行することは劇的救命に大いに貢献する可能性があります。

多発外傷で患者が重篤であるほど、多様な医療スタッフからなるチームが必要となります。チームコーディネートの結果、劇的救命できた症例のポスター発表に皆さん感動したと思います。

わが国で今起きている、悲惨な傷害事件、交通事故、自然災害、労災事故、これらに対して、われわれの力が試されています。みんなで目指しましょう。劇的救命、劇的救肢！

今回の学術集会では指定演題、一般、ポスター合わせて376題の発表をいただきました。参加者は735名でした。

ご協力いただいた、ISS、アイズ、八戸市立市民病院、八戸市観光協会、駒嶺商店、八戸横丁飲み屋街、ご協賛いただいた国内有名企業の皆様に感謝申し上げます。

ご参加、御協力いただいた学会員の皆様ありがとうございました。

来年令和2年5月19日20日は仙台で第34回本学会が開催されます。

そして、令和3年はさいたま市で開催されます。

今回同様にご参集ください。

これにて第33回日本外傷学会総会・学術集会をお開きとします。

令和元年6月7日

第33回日本外傷学会総会・学術集会

会長　今 明秀